天使シリーズ3

天使に泥を塗る夫婦3

 人様のイラスト・500枚に自分のサインを入れていた夫婦ですが、どのような画像が、どのように掲載されていたかまでは説明していませんでしたね。
 絵のジャンルは様々でした。オリジナルキャラクターから、原作者以外の方が描いた版権物のイラストまでありました。しかも版権物の中でもジャンルは様々で、有名漫画のキャラクターからはじまって有名ゲームのキャラクターまで。素敵な絵なら何でもいいのではないか、もしかしたら元々どういう話のどういうキャラクターなのかも知らないんじゃないかと思うほどのジャンル層でした。
 実際はどうだったかといいますと、版権物のキャラクターと作品をご存知だったようです。イラストを盗まれた人は数多くいますが、盗まれた人全員に共通するものが思い当たらないため、そう推測します。出版物から取り込んだと思われる画像までありましたし、商業作家さん(プロのイラスト描きさん)のイラストもありましたから。
 そして絵の掲載のされ方ですが…これは何度も書いてきたとおり、勝手に自分たちのサイン(判子かと思われる)を入れています。しかし、このご夫婦、サインを入れるだけじゃ物足りなかったようです。

    

 上の画像をご覧下さい。左から「1.標準」「2.縮小」「3.拡大」「4.…」です。つまり、全ての画像が「1.標準」を基準に作られています。どれも1に比べて何となく汚い絵になってますよね。これは保存方法のせいでもあるのですが、元の画像からサイズをいじるとこうなってしまいます。縮小というのはごまかしがきくために比較的きれいにできあがるのですが(実際描いた絵を縮小するのはよくあります)、拡大はおかしくなります。線のちょっとした歪みが強調されてしまいますからね。
 ここで重要なのは「4.…」です。拡大とは少し違うのがわかりますか? これ、縦横同じ比率で拡大した3とは違い、横幅だけ引き伸ばしたものです。縦横のサイズを全く無視して画像をいじったので、絵としておかしくなっています(モデルに使ってる絵が絵なのでわかりづらいかもしれませんが)。特に効果を狙ったわけでもなければ、嫌う人が多いかと思います。絵が崩れてしまってるんですから。
 このご夫婦、人様のイラストをこのような比率を無視した引き伸ばし等もしていました。せっかくの素敵な絵が台無しです。関係ないご夫婦のサインを入れただけでも台無しなのに。

 

 次にこの二つの画像をご覧下さい。両方とも比率も色合いも全く同じイラストですが、違うものになってます。左が元の画像、右は保存の際に劣化された画像です。
 この二つ、全く同じ形式(gif形式)で保存されているのにこんなにも違います。左は画像の美しさを重んじた保存で、色の数を多め(256色)にしています。右は画像容量が少なくなるようにした保存で、色の数が少なめ(32色)です。
 これはわかりやすくするために極端に設定しましたが、あのご夫婦も、こういった劣化保存をされていました。美しい色合いのイラストも、劣化すると汚いイラストになってしまうのに。

   

 このご夫婦はまだまだ俺たちを驚かせてくれました。左から「元画像A」「サインA」「元画像B」「サインB」です。「元画像A」という画像、見本という言葉が入ってますね? この「見本」という部分は、元サイトの名前・イラストの作者名がはいっていたという設定です。
 このご夫婦は、本当の作者さまのサインを消し、自分たちのサインを入れていました。「サインA」という画像のように。わざとらしく消したあとがありますが、本当にこんな感じで名前を消されているイラストがあったんですよ。元サイトの名前が入ってる部分だけ画像を切り落とし、ご夫婦のサインを新たに入れて掲載したとイラストもありました。
 さらに「元画像B」ですが、イラストの中央にサイト名などが入っていたという設定です。これはそういうデザインということ以外に、無断転載を避けるための手段としても使われているようです。
 ところがこのご夫婦にはそんな技通用しません。モザイクを使って堂々と文字を消されました。それが「サインB」のような状態です。…すでにイラストとしての価値がなくなっているような気がしてならないのですが。

 どうしてここまで人様のイラストを馬鹿にすることができるのでしょう。勝手に盗んでいったり、勝手にサイン入れたり、勝手にサイズ変えたり、勝手に劣化させたり、勝手に…(長くなるので省略)。

 興味ない方には馬鹿馬鹿しく思えるかもしれませんが、イラストを描く趣味をお持ちの方は、イラスト一枚にものすごく力を注ぐことが多々あります。描いては消し、描いては消し、試行錯誤しながら一枚の作品を仕上げていくのです。
 勿論、数分で書き上げて公開する人もいますが、数時間、数日、中には構想から入れると10年かけて仕上げたとおっしゃる方もいます。このご夫婦は、こういった方々の作品を勝手に持ち出し、作者様のサインを消して自分たちのサインを入れ、画像を劣化させたりサイズを変えたりして加工し、自分たちの作品として発表していたのです。あまつさえそれを慈善活動として売っていたので、尚更怒りは収まりません。
 今回の騒動で、イラストを勝手に使われた人ではない「第三者たち」がたくさん動いているのですが、理由はそのあたりにあります。
 実は今回のことで動いている第三者の方々のほとんどが、なんらかの創作活動を行っているのです。だから創作物を傷つけられることに対し(他人事ながら)怒りを感じ、一連の話を問いただしたいと思っているのです。このご夫婦の一連の行動は、イラストを描かれる人にはとても許しがたい行為ばかりですから。

 ある方はおっしゃいました。「この夫婦は、心をこめてイラストを描いたことなんてないんだろうね」と。俺は、このご夫婦はその他全般の創作活動をしたことがないのでは?とさえ思います。何かを生み出す苦労を知ってる人間がこんなことをしますか? 俺なら答えはNOです。

天使シリーズ4に続く



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